子どもがかかりやすいのどの病気
子どもの咳は風邪によるものが1番多いです。風邪による咳は風邪が治れば治まりますが、なかなか治らなず長引く咳をするお子さんも多いのではないでしょうか?
長引く咳では喘息や慢性気管支炎によるものがよく知られていますが、もう一つ忘れてはいけない原因があります。
それは鼻水です。鼻水は鼻の入り口にたまっていれば鼻をかめば済みます。しかし、鼻の奥の方からのどにかけて鼻汁が垂れ下がり、また、鼻づまりがある場合は、鼻をかむだけでは症状が改善されません。
鼻水がのどに流れ込むことを後鼻漏と言います(図1)。
正常の場合では鼻の粘膜からは1日約1リットルの鼻水が作られます。このうち300ミリリットルがのどの方に流れていきます。正常な場合はこれに気付くことはありません。
しかし、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)などの鼻の病気や、風邪等にかかると鼻水の分泌量が増えると同時に後鼻漏も増え、自覚するようになります。副鼻腔炎などがあるとサラサラとした鼻水ではなくドロドロとした鼻汁になってきます。しかも仰向けで寝ると、後鼻漏が急激にのどに流れ込み(図2)、のどを刺激して咳き込んで、眠りの妨げになることがしばしば見受けられます。
また、起き上がったときに流れ込んだ鼻汁を出そうと咳が出ます(図3)。
このような後鼻漏による咳は咳止めでは治りません。鼻の中をキレイにするに限ります。鼻水を抑える薬も有効ですが、こまめに鼻の中をキレイにする(鼻水を吸う)治療が1番効果的です。鼻の中をキレイにすることで後鼻漏を防ぎ、咳を落ち着かせることができます。喘息の患者さんの60〜70%の方は鼻の治療をすると症状が安定することが知られています。
子どもの場合、決して鼻が悪いとは言わないので気付きにくいと思います。次に当てはまるお子さんは要注意です。
- 鼻すすりをする
- しょっちゅう鼻水が出る
- 口呼吸をする
- いびきがひどい
お心当たりのある方は耳鼻咽喉科を受診してはいかがでしょうか。